戦うブログ

大学生の友達なし彼女なしの自分が友達たくさん彼女がたくさんできる予定の経過を書くブログです。

クーリンチェ少年殺人事件 感想

クーリンチェ少年殺人事件を見てきました。

 

講談社ミスiDの小林司さんがTwitterで言ってるのを見て、

4時間越えの20年振りに日本で上映されて、なおかつ、ソフト化もLD版とVHS版しかなくて、気軽に見れない

伝説的に語り継がれている作品ということで、

これは見に行くしかないしょ!と期待に胸を膨らませて

横浜シネマリンで見てきました。

その前に近所の台湾料理屋でご飯を食べてから映画を見ました。

みなさんにもオススメしたいそのコース。

 

んで感想ですが、


映画 『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』 予告編

正直1発目見たときに、長いしよくわからなかった、でも最後すごいなという感想でした。

 

 

最後のえっという衝撃

そんで僕は映画館でパンフレットなるものを初めて買いました。

そこには人間関係図があって、

ああ、そういうことなのか、、

と映画後に色々わかったという事になりました。

まず色々な組織があって、

最初、小公園と出てきてどっかの公園なのかなって思ってたら、不良グループの名前だったみたいなんです。。。

 

なのでこれから見る人は人間関係だけを見てそこらへん整理して知っておくと絶対楽しめると思います。

 

内容に入っていくと、

ここから

圧倒的ネタバレです。

 

僕はその後近所の図書館でLD版も見てるので計2回見ました。

 

まだよくわかりません

なぜ小四が小明を刺したのか、

なんでという疑問は最初からあります。

 

小四が建国中学の昼間部の受験を落ちた。他は90点なのに国語だけ50点、、

 

なんでだろうとなります、

 

そして滑頭が小四になぜつっかかっていったのか。

 

なぜ小四と小明は仲良くなるのか

 

とかなぜだ、なんでだって探すと本当にキリがないです。

 小虎に間違われて、小四がボコられそうになるところとか

小四は、究極的に運がない人間なのかもしれません

例えばですけど、、大学の授業でいつも出てたのにたまたま休んだときにテストやっちゃってとかいう展開になりやすい男のようなそんなような

 

 

パンフレットで 濱口竜介さんが、忘却という言葉を使ってこの映画を表現しています。

私たちは、小明の涙を、小四が小明の前だけでは笑っていたこともまた、確かに思い出す。胸がかきむしられるような思いがする。そして、問いかける。なぜこんなことが起きた?

 

しかし、わからない。私たちはここに至るまであまりに多くのものごとを見落とし、聞き逃したまま、忘れているからだ。私たちが最後の事件において想起することになるのは、実は「忘却」そのものだ。

 3時間56分という長さで忘れていきます、 映画の最初はどんな始まりだったかな、、と

でも、僕らも友達や恋人ともどんな感じで仲良くなったなんか忘れていって、

なんでこんなに好きなのか、なんでこんなに憎くなったのか忘れてしまって、

 ハニーが殺された後、

学校に来なかった小明はハニーの顔が思い出せないと言います。

 

みんなって普通好きな人の顔って覚えてるのかな、、

俺もすぐ忘れてしまうほうで、

この場合の小明はハニーを失ったショックでということなんでしょうが、そんなに覚えてられるのかな、

忘れてく気がする、好きな人がどんな顔してたのか、どんな声してたか、どんな話してたか

忘れていくことは寂しい

 

小四がラストシーンで服を脱がされそうになった時はその服に付いている血ですら惜しくなって、

いつか忘れてしまうから、小明の一部でも残したかったんじゃないかなって思ったりして。

 

ラストシーンで小明のこのセリフがあります。

あなたなら私を変えられると? あなたも同じね 意外だわ ほかの人と同じ 親切にするのは私の愛情がほしいから そして安心したい 自分勝手ね 私を変えたい? 私はこの世界と同じよ変わるはずがない あなたは何なの?

 

誰かによって人は変えられない、それは自分勝手だと小明は告げる

 

小四にしてみたら、小明の悲しみを知ってるのは自分だけだし、救えるのは自分だけだって思ってしまう。

 

でも、やっぱりそれは勘違いで

その人が表に出してる面を見てその人をわかったつもりでいるだけで

その人が根底で、なに考えてるかなんてわからない

 この映画で思ったのは「忘却」ってことと、もうひとつ「思い込み」っていうキーワードがあげられると思います。

 

小四の世界は小明だったはずだ、

でも実際小明は小四をどう思っていたなんか分からない。

 

自分だけが小明のすべてを知っていて、なんてやっぱり思い込みだ

 

思い込みにすぎないところがたくさんある。

 

小四は自分の無力さを激しく痛感する。

父が学校にいくら抗議したって、状況は良くならない、外省人として惨めな思いをし続ける

周りが惨めで、不公平なこの世の中はずっと変わらない。

 と思い込んでしまっている

悲しくて、悔しくて、でもそれが現実で

 

でも、そこに世界はあり続ける。

明日いきなりそれらが全部変わる事なんてありえない。

苦しい思いを僕らは飲み込んで生きていくしかない。

ただひたすらに。

 

 

少年はナイフで小明を刺した

こんなにも生きづらい世界なんて壊れてしまえばよかったと思ったのかもしれない

 

刺しても刺しても死なないと思ったのかもしれない

 

小明の母は自殺をする。

小四の家族は途方に暮れる。

というラスト

悲しいことは続いてしまう

 

 

じゃあ、小明が悪女だったかというとそれは決して違うはずだ

 

男たちは自分色に染めたいと奮闘するが、それはほとんど意味がなく

 

男たちはただ自滅していくのだ

自分だけが彼女を救えると

思い込んでいく 

 

だが、彼女を救えるのは彼女だけなのだ。

そして、世界は誰にも変えられない

世界が変わる時は勝手に変わっていく

 

 

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 なんとかしてあげたいって重いとなるんだろうな、

ほっとけばいいんだろうな