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「はぁ〜あ」
やっぱり佐々木さんにはもう新しい男がいた。
授業が終わって、廊下にいる男の元へ早くとも遅くともない、当たり前のようなスピードで向かって行った。
佐々木さんにとって男はあったら便利なキーホルダーのようなものかと思った。
「どうしたよ」
そう言って島田が肩を叩いてきた、こいつの力は少し強い、加減知らずだ
「佐々木さん、やっぱりもう新しい彼氏いるみたいだわ」
「だろうな〜可愛いもんな、しかも誰ともつるまないし、媚びる感じでもないからなあ、ああいうのはモテるよなあ」
俺が佐々木さんの事を好きなのを島田は知っている。
「第一よ、おまえももう諦めろよいい加減、佐々木さん佐々木さんってよ、そんなんあかんねん、そんな苦労して恋愛とか付き合うってしないだろ」
島田は別に関西人ではない、東京寄りの千葉出身だ。
「お互いが仲良くなって、いい感じになってね、自然と自然とね、付き合っていくっちゅーもんだろーよ、お前にはそんな感じないんだから、脈なしだよ。告白したって変わらんし、なにしたってあかんねん。」
島田にはいま現在彼女はいない、今までいた事もない。
「そうだよなぁ」
ぼくは人に言われた事をすぐ真に受ける。
「sexしたくないのかよ、」
島田はすぐこういうことをいう、
「いいんだよ、好きでいるだけで、それだけでいいよ」
「性的な目で見てないのは本当に童貞の考えることだよ」
そういえば先月佐々木さんと水族館に行った時。
佐々木さんは
「カレイとヒラメは向きでわかるっていうけどさ、それはまず表か裏かわかんないとわかんなくない?そんなことわかってるんだったらもっとわかりやすいお互いの特徴ありそうだけどね」
と言って笑ってた
そんなとこが好きだった、他の人にとってどうでもいいとところで笑える所が、ぼくは大好きだった。
それはぼくと同じ所で笑えるってのもそうだし、考えすぎる発想だからこそでる見方な気がした。
水族館行った帰り道に
「この後飲み行かない?」
って言ったら
「ごめん、、この後Amazonから19時に荷物届くから帰るね、、じゃ」
って
佐々木さんはなにも考えてない人なのかもしれない。